2014/05/30更新 |
5月28日に第436回福岡地区小児科医会学術講演会が開催されました |
一般演題:「単純レントゲン検査では所見がなくCT検査で肺炎を認めたRSウイルス感染症~当院で経験した症例を元に~」 特別講演:「ウイルス感染症とワクチンについて~麻疹、風疹、水痘・帯状疱疹、ムンプスの抗体価と疾患コントロールを中心に~」 入院施設のある病院では、院内感染を起こさせないことは重要です。大学病院内の感染制御を担当され、この方面に詳しい先生に、麻疹、風疹、水痘・帯状疱疹、おたふくかぜの疾患コントロールについてお話しして頂きました。 最初に、麻疹、風疹、水痘・帯状疱疹、おたふくかぜの病気の概要が紹介されました。トピックスとしては、(1)小児水痘にかかった後6カ月は脳卒中のリスクが4倍になる、(2)帯状疱疹は、水痘罹患後体内に潜伏しているウイルスが起こす病気ですが、妊婦が妊娠中期~後期に水痘にかかると、その子どもは水痘にかからなくても帯状疱疹になることがある、(3)喘息は子どもの帯状疱疹の発症リスクになる、などがあります。 医療従事者にあらかじめワクチンをうち、予防することは最も基本的な防御対策になります。ワクチン接種が必要かどうかは、それぞれの疾患の抗体価で判断します。施設によって基準が異なることもあり、その一例が示されました(図参照)。 患者さんの入院前は、流行性疾患との接触歴を必ずチェックします。それでも院内発症してしまった場合は、(1)発端者の(できるだけ早期)退院/個室隔離、(2)接触患者リストの作成、(3)接触患者/医療従事者への予防措置、(4)接触患者の行動制限、早期退院、(5)当該病室・病棟への入院制限期間設定(それぞれの最大潜伏期間)、(6)二次発症の監視、などの措置を早急にとります。 接触者の予防措置として、麻疹、水痘に関しては接触後の予防接種が有効です。また水痘に関しては、接触7日後から7~14日間抗ウイルス薬を内服する方法もあります。また接触者の定義として、水痘・麻疹は感染期間に同じ空調内にいた者、帯状疱疹、風疹、おたふくかぜについては、同一部屋・遊んだ、としています |