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気管支喘息
概要
発作の時は、気管支の粘膜がむくみ、気管支が収縮するので、気道(気管支の内腔)が狭くなっています。呼吸のたびにヒューヒューと、笛を吹くような音がして、呼吸が苦しくなる発作をおこす病気です。
発作が重いと、呼吸困難のため夜眠れない、食事がとれない、会話ができないなどの症状が出て、さらに重くなるとまれに、意識障害を起こすこともあります。
2~3歳ごろ初めての発作を起こすことが多いのですが、きちんと治療をしていれば、成長とともに治っていくことが多いです。
気管支喘息の子どもは、乳児の頃から風邪を引きやすく、咳が長引いたりゼロゼロしたり、細気管支炎や喘息様気管支炎を繰り返すことが多くみられます。
原因
喘息を起こしやすいタイプとは
①気道の過敏性が高い=ちょっとした刺激でも、咳が出たり、すぐゼロゼロする。
②アレルギー体質をもつ=子ども自身、あるいは親や兄弟に、アトピー性皮膚炎や気管支喘息などのアレルギー性の病気がある場合です。
発作を起こしやすい条件
アレルゲン・風邪などの感染・過労・ストレス・気候などです。
また、喘息発作を繰り返したあとは、気管支粘膜が荒れているので、ほんの小さな刺激でも、発作を起こしやすく、きちんと治療しないと悪循環になりがちです。
症状
ゼーゼー(喘鳴)、コンコンという咳、ゼーゼー・ヒューヒューと肩を上下させる苦しそうな呼吸、呼吸困難が主な症状ですが、症状の出方、程度はさまざまです。
息を吸うときよりも、吐くときが大変なので、吐く時間が長く苦しそうです。
発作がひどい時は、呼吸困難のために、汗がたくさん出て、手足や唇が紫色になるチアノーゼを起こしたり、まれに意識障害やけいれんを起こすこともあります。
発作の程度によって、小発作(ゼーゼーという喘鳴はあるが、ふつうに食事や睡眠はとれる)、中発作(呼吸困難があり、食事や睡眠に支障がでる)、大発作(ひどい呼吸困難があり、食事や睡眠がとれない)に分けることもあります。また、発作の程度と頻度で、重症度を表すこともあります。
ケア
衣服をゆるめ、楽な姿勢をとらせます。腹式呼吸ができるように呼吸のリズムを一緒にとってあげましょう。痰が切れないときは、背中を指先で軽くたたいてあげましょう。
発作時に医師から薬の指示をされている場合は、薬を飲んだり、吸入したりします。
発作のために夜目覚めたり、眠れなかった時は、翌日受診した方がよいでしょう。
発作がひどく、呼吸困難、唇や爪が紫色になるチアノーゼ、意識がない、けいれんが起きた時などは、すぐ受診して下さい。
発作はそのつどきちんとケアすることが大事です。呼吸困難がおさまってもゼロゼロがとれるまでは、無理をさせず薬を飲ませます。
治療
第1には、環境整備です。
アレルゲンになりやすいダニやハウスダスト、カビをなるべく減らします。
第2に薬物療法です。
薬の種類はたくさんありますし、毎日使う薬と発作時の薬、飲み薬と吸入など使い方は、発作の程度や頻度によってかなり違います。
主治医から、どんな時どのくらいの量使うのかなど、よく聞いておきましょう。
第3には、体を鍛えることです。
水泳は発作を誘発することが少なく、一般に勧められています。
発作が起きていない時は、過保護にせずふつうに生活します。
発作の項でも述べましたが、発作がひどい時は、自宅で我慢させず病院で治療します。
吸入をすると一時的に楽になるので、子ども自身も親も発作を軽く感じがちですが、甘くみず、しっかり治療しておくことが大切です。
詳細な解説
気管支喘息
喘息は以前は、アレルギーが主な原因で気道が過敏となり、狭窄を起こして、呼吸困難を起こす病気と考えられてきました。しかし、喘息の子供の多くは思春期には自然に治っていきます。ダニやハウスダストの抗原を浴び続けているにもかかわらず、治っていくのは変な話です。普通に考えれば、逆にどんどんひどくなっていくはずですね?
こういう矛盾や、また喘息で亡くなった人の気道の組織所見などから、
喘息は現在では気道の慢性炎症
(炎症というは、平たくいえば、怪我をした所が治る時に赤く腫れあがるような状態です)が、主な原因の病気とわかってきました。
慢性の炎症の結果、少しのきっかけで、気道の一時的な狭窄や過敏性がおこり、さらにタンづまりによる閉塞が加わって、呼吸が苦しくなってしまいます。
発作が起こるきっかけとしては、気道の感染、アレルギー原因物質への暴露、空気汚染、受動喫煙(タバコをすっている人の煙を吸う事)、気象、感情変化などがあります。
発作は乳児期から起こり始めることが多く、簡単な診断定義としては、
”明らかな呼気性喘鳴(主に息を吐くときに胸からゼーゼー、ヒューヒューという音がする)を3エピソード以上繰り返す(ただし、エピソード間には無症状な時期が1週間以上ある)”
があります。
乳児期の喘息児の中には、ウイルス感染などの気道刺激で一時的にゼーゼーがあるものの、3歳くらいまでに自然に軽快していく、狭義の喘息とは異なるグループがあることもわかっています。
喘息の自然の経過としては、まず1~2歳をピークとして発症することから始まります。以後は個人個人で、軽いものから重症まで様々な経過をたどりますが、60~70%は思春期になると自然に軽快していくことが多いです。また遺伝性も認められ、親族に喘息などのアレルギー体質の人がいる場合もしばしばあります。
喘息の治療には、長期的な管理目的の治療と、急性発作時の治療があります。長期的な管理では、慢性的な炎症をおさえる事に主眼がおかれます。
治療薬の種類としては、
ロイコトリエン受容体拮抗薬、吸入ステロイド薬、化学伝達物質遊離抑制薬、テオフィリン薬、β2刺激薬
などがあり表に示します。抗炎症作用は、吸入ステロイド薬、テオフィリン製剤、ロイコトリエン受容体拮抗薬などに認められています。この中で、吸入ステロイド薬が最も強い抗炎症作用を示します。
治療は個々の頻度や重症度にあわせて行われます。長期的な管理について、日本小児アレルギー学会の治療・管理ガイドライン2012を示します。
喘息の治療薬
喘息の長期的管理ガイドライン