- A群溶連菌の感染症では、①健康保菌状態、②急性化膿性の病気(咽頭炎やとびひ)、③免疫反応による合併症(急性糸球体腎炎・リウマチ熱)、の3つの場合が知られていました。1990年代になってからは、④ショック症状、腎不全などで死亡する劇症型溶連菌感染症も注目されるようになりましたが、極めて稀です。
- 急性咽頭炎:
風邪の症状と同じで、のどが痛くなり熱が出て、のどや口の中が真っ赤になります。また、舌にいちごのようなブツブツ(いちご舌)ができることもあります。食べ物・飲み物を飲み込んでも痛みます。腹痛を起こすこともあります。 - 猩紅熱:
溶連菌は発赤毒素をもっていて、感染すると全身に粟粒大の赤い発疹ができ、全体が赤くみえるので、その場合は「猩紅熱」といいます。 1~2日すると、赤く小さなかゆみのある発疹が、首・胸・手首・足首に出て、しだいに全身に広がります。3~4日すると、いちご舌ができ、唇のはし(口角)が荒れてきます。治療すると2~3日で、熱が下がり、発疹も薄くなってきます。2週間くらいして、手足の皮膚がむけることもありますが、跡は残りません。他の症状は、急性咽頭炎と同じです。 - 熱や発疹の様子で、判断できる病気ですが、のどの粘液の検査や血液検査で確実に診断できます。
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