マイコプラズマ肺炎



概要

  • マイコプラズマという、細菌やウイルスと異なる微生物の肺の感染で起こります。
  • 好発年齢は、2歳ぐらい~20歳ぐらいの若年者に多いです。


症状

  • 激しい咳や、発熱が主な症状です。
  • 時に、呼吸困難を伴います。
  • 全身の状態は悪くならず、比較的元気な場合が多いです。


診断

  • レントゲン検査
  • 血液検査(マイコプラズマ抗体価反応など)
  • 咽頭ぬぐい液による迅速検査など


治療

  • マクロライド系・テトラサイクリン・トスフロキサシンという抗生物質が有効です。
  • 時に入院治療が必要になります。


詳細な解説



マイコプラズマ肺炎

  • マイコプラズマは、細胞壁がない、発育が遅いという、他の一般的な細菌とは異なる特徴がある微生物です。
  • 学童年齢を中心として肺炎の原因になりやすく、肺炎全体の20%程度を占め、最も多いものです。
  • 以前は4年の周期で流行することが多く、オリンピック肺炎とも呼ばれていましたが、最近は時期にかかわらずまんべんなく認めるようです。
  • 熱が下がらない、咳がひどいなどの症状が続きますが、比較的元気はよい場合が多いです。胸のレントゲンを撮ると、暗い肺野の中に、白っぽい肺炎の影が認められます。発疹を伴うこともあります。
  • 無治療でも治癒していく場合もありますが、たいていの場合はマクロライド系(エリスロシン、クラリシッド、クラリス、ジスロマックなど)やテトラサイクリン系(ミノマイシン)の抗生剤が処方されます。トスフロキサシン(オゼックス)が処方される場合もあります。
  • 近年は標準的なマクロライド系抗生剤が効きにくいマイコプラズマ(耐性菌)が増えてきています。
  • 学童である、熱が続き咳が強い、比較的元気がよい、白血球があまり増えていない場合などにマイコプラズマ肺炎を疑います。診断は、胸のレントゲン所見と血清のマイコプラズマ抗体価の高値や、2回目に上昇することなど、あるいは咽頭ぬぐい液による迅速検査やLAMP法という検査などでつけていきます。
  • 高熱が続き、疲労して入院治療が必要になったり、胸に胸水がたまり穿刺して抜いてやらないと、症状が改善しない場合もあります。またステロイド薬で熱が下がる場合もあります。
  • 稀にマイコプラズマが原因となる、髄膜脳炎を起こすことがあります。