腸重積



概要

  • 腸の一部が、他の腸の中にもぐりこんで、二重になってしまい、腸閉塞(イレウス)症状をおこす病気です。
  • 最も多いのは、小腸の末端(回腸)が大腸のはじまりの部分に入り込む形です。
  • 4ヶ月から2歳までの乳幼児におこりやすく5~10%で再発することもあります。4歳以上ではほとんど起こりません。男の子は女の子の約二倍多いです。
  • 90%は高圧浣腸などの方法で治療できますが、手術治療が必要になることもあります。早期発見が大切な病気です。

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原因と症状

  • はっきりした原因は分かっていませんが、風邪などで腸の壁のリンパ節が腫れ、腸の動きが制限されるとおこりやすくなるようです。
  • まれに入りこんだ腸の先端にメッケル憩室(けいしつ)、ポリープ、迷入膵(めいにゅうすい)、リンパ腫などという異常が認められることもあります。
  • 元気に遊んでいた子供が突然、腹痛で泣き出し、嘔吐し始めます。腹痛を訴えられない赤ちゃんの場合は不機嫌になったり、急に激しく泣き出します。
  • 2~3分で痛みはおさまり、また遊び始めたりします。このようなことを20~30分おきに繰り返します。痛みの激しい時と平気な時が、繰り返し起こるのが特徴です。
  • この時おなかを触ると、おなかの右上の部分にしこりが触れることもあります。
  • そのうちだんだんぐったりしてきて食欲もなくなり、入り込んだ腸管粘膜が傷つき、いちごゼリーのような血便が出始めます。


治療

  • ほとんどの場合は、高圧浣腸でなおります。再発した時も、まず高圧浣腸を行います。
  • 高圧浣腸をしてもなおらない場合や、発症から長時間(72時間程度が目安)たち、高圧浣腸が危険な場合は手術します。
  • 再発を繰り返す時は、腸の造影検査、超音波検査などをして腸重積を起こす原因を調べる必要があります。腸にポリープや憩室が見つかった場合はその治療をします。

    高圧浣腸
    ・肛門から、くだ(カテーテル)を入れ、バリウムを混ぜた溶液を高圧で大腸に注入し、腸に入り込んでいる回腸を押し戻します。空気を送り込む方法もあります。
    手術
    ・開腹手術をして、少しずつ潜り込んでいる腸を手で押し戻して、整復します。
    ・腸重積の原因となるポリープや憩室などがある場合はこれを切除します。
    ・腸の組織が傷つき死んでしまって(壊死)、もう働きがない場合は、その部分を切除して、つなぎ合わせます。