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ミニレクチャー:「小児肝疾患のみかた~乳児黄疸からウイルス性肝炎まで~」
久留米大学医学部小児科学教室助教 水落 建輝先生
特別講演:「小児の血便~経時観察で良い疾患から内視鏡が必要な疾患まで~」
順天堂大学医学部小児科学講座教授 清水 俊明先生
小児の消化器疾患専門外来をもつ病院は多くなく、久留米大学、順天堂大学などが代表的です。今回は、順天堂大学の清水先生から小児の血便にテーマを絞って講演して頂きました。
小児の消化器疾患は、腹痛、嘔吐、下痢、血便が主症状となることが特徴です。そのうち血便に関しては、好発年齢、随伴症状、血便の性状を元に疾患を鑑別していきます。
鑑別としては、
下痢(+)腹痛(+) → 細菌性腸炎、炎症性腸疾患、食物アレルギー
下痢(-)腹痛(-)タール便 → メッケル憩室、消化管重複症
下痢(-)腹痛(-)赤褐色~鮮血 → リンパ濾胞過形成、大腸ポリープ・肛門裂傷、食物アレルギー
下痢(-)腹痛(+) → 腸重積症、アレルギー性紫斑病、消化性潰瘍
代表的な疾患は、
(1)リンパ濾胞過形成 → 母乳栄養の乳児、機嫌良好、成長・発達正常、血便は点状・線状・斑状で時に粘液混入。経過観察し、出血が多い場合は貧血のチェック、必要なら母乳の制限。
(2)若年性大腸ポリープ → 生来健康な幼児、血便は便の表面に粘液を混入した鮮血が付着、硬便時に出血が認められる事が多い、治療は内視鏡的ポリペクトミー
(3)食物過敏性腸炎(ミルクアレルギー) → 混合栄養の乳児、下痢はあったりなかったり、血便は粘液を混入した赤褐色~鮮血、診断は抗原除去での症状改善・便中/血中好酸球増多・LST高値・IgE正常(~高値)、治療は加水分解乳・アミノ酸乳など。
炎症性腸疾患は年々増加しています。
小児潰瘍性大腸炎は初発症状としては、下痢、粘血便、腹痛が多く、小児Crohn病は、腹痛、下痢、発熱、体重減少、易疲労感、血便の順に多く、血便は10%程度です。
Crohn病の代表的経過としては、約3年前からしばしば腹痛、時に軟便もあるが血便はなし、2年前から繰り返す痔瘻、身体所見は眼瞼結膜やや貧血様・肛門周囲膿瘍を認める、検査所見としてはHb10.2g/dl、CRP0.6mg/dl、便鮮血陽性、など。消化管内視鏡検査を行いCrohn病の診断。
また、治療に関する全国調査では生物学的製剤(特にCrohn病)も使用されている実態が分かっています。
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