急性虫垂炎



概要

  • 大腸のはじまりの場所(盲腸)の先にとび出している小指のような形の突起を虫垂といいます。
  • その中が何かの原因でふさがって炎症を起こし化膿した状態を虫垂炎(俗にもうちょう)といい、多くは急性におこります。
  • 子どもでも起こりますが3~4歳以前はまれです。


原因 と 症状

  • 虫垂の中がふさがる原因として、便、ウイルス・細菌感染、異物、まれに寄生虫などがあります。また、大量の肉食、暴飲暴食、過労、繰り返される下痢なども誘因となることがあります。
  • 乳幼児と小・中学生では少し症状の訴えかたが違ってきます。

    小・中学生
    ・腹痛、食欲がない、嘔吐や下痢、発熱(38℃前後が多いですが進行するとさらに上昇します)。血液検査で白血球中の好中球が増加するなどが見られます。
    ・腹痛は、はじめおへそよりすこし上を痛がりますが、しだいに右の下腹部のあたりに集中してきます。
    ・ 歩くと痛みのためにすこし前かがみになり右下腹部を手で押さえて静かに歩く様子が見られたり、片足ずつけんけんをすると右側のほうに痛みを訴えたりします。

    乳幼児
    ・不機嫌・いつもの元気がない・食欲がない・嘔吐や下痢・発熱(38℃前後が多い)等がみられます。
    ・乳幼児期は年長児にみられるような特徴的な症状に乏しいです。発熱・食欲不振・不機嫌・嘔吐・下痢などの症状が現れた時に腹部をそっとさわると嫌がったり、やわらかさがなくなってきたりします。

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治療

  • 炎症がおなかの中にまで広がり、腹膜炎という合併症をおこすと、腸の動きが弱くなり(麻痺性イレウスといいます)、腸の中の血管から全身に広がり敗血症や肝膿瘍という重い合併症をおこしたりします。
  • 典型的な急性虫垂炎や腹膜炎の併発があれば早期に虫垂切除を行います。
  • 手術をせずに保存的に経過を見る事もありますが、その決め方は病院により色々です。